・絵師と礼二、不動産屋とその相方は似ています
本来優れている側が障害を抱え、
そのため本来控えだった側が活躍して彼を支えるという構図です
・それは兄弟愛であり友情であり、無心の献身であります
支える側の人生は全て相手の為に費やされ、彼らはそれを善しとします。望んで犠牲にならんばかりに
支えられる側は当然感謝もありますが、常に申し訳なさでいっぱいです
しかし、相手なしでは生きていけないことも理解しています。援助だけではなく、真の理解者と言う意味で本当にかけがえがないのです
・そうした共依存の関係を、互いに察知しているので、あの二組は相性がよいのです
(不動産屋は絵師と一緒に項垂れていたり、酒を呑んだりしています。礼二はいぬきちさんを信頼できる仕事相手だと思っています)
・この二組を考えると、白い男が孤独であること『君には誰も居ないじゃないか』が明確に浮かび上がってくると思います
もじゃもじゃは白い男にとって、絶対的な護るべき相手であり、元親友です
しかし彼は白い男を救ってはくれないのです。むしろ傷みの象徴として常に目の前に存在するだけです
白い男は一人地上に残されました
虹も、もじゃもじゃも、彼を一緒に連れて行ってはくれなかったのです
・かと言ってマスノさんのトンビの下に入って庇護してもらうことはできません
白い男は自分を罪人だと思っているからです
人の情けを受ける資格、赦される資格などないと思っているからです
あらゆる救いから自らを隠して生きていくつもりなのです
・ミウラとスズキ、フクダとトクイも前述の共依存にあたりますが、まだあまり掘り下げて記述していないので言明を避けました
・当然の事ながら、兄と弟も完全な共依存に当ります
しかし双方を支えながら、双方へ向けられるほどの見返りを受けていない庄司もまた実は孤独です
そして庄司はそれをちゃんと理解し、納得した上で人生を共にしようと心に決めています
ですから実質、孤独ではありますが魂が満たされている部分はあるのです
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