兄弟篇についてご存知ない方はまとめページからご覧下さい
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草っぱらで何やら屈み込んでいる弟。
隣には絵師が居るが、どこかへ歩き去る。
その後も弟に目立った動きナシ。
しびれを切らしたA、遂に話しかける。
「大して知りたくはないんですけどね、何をしてんすか」
「ちょっとまって」
「待ちますけどね、この際」
「やっぱりそうや」クローバーを摘む弟「よつば。」
「…四葉なんか探してたんすか」
「うん。けっこうあんねん」差し出す「はい。あげます」
「ああああんたのアニキにやりゃいいでしょうよ」
「兄ちゃんとしょー兄はもうにじっぽんくらいあげた。もうええっていうてる」
「じゃじゃあアンタが持ってりゃいいでしょう」
「おれもようさんもってんねん」手に持たせて「あげます」
「みつけたらな、みんなにあげんねん。
よつばもってたらしあわせになれんねやろ?
みんなでしあわせになったら、しあわせやんか」
最後の表現にちょっと首を傾げて言い直す「たのしいやんか」
「アンタはやっぱり、ちょっとオカシイですよね」
「そうかなあ」
「けど、その…」顔を背けて「ホントにそうなったら、いいでしょうね」
A、来た道をゆっくり引き返す。
木陰で項垂れていたBに四葉を差し出し
「アンタに、だそうですよ」