兄弟篇についてご存知ない方はまとめページからご覧下さい
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・朝の散歩から戻ってきた弟はパーカーのフードに安いチョコレートを何粒か入れていた
「あすこのこんにびでな」
「コンビニな」兄食卓に並べて数えながら
「うん、こんにびでな、目ぇのおっちゃんがこうてくれてん」
庄司エプロンをはずしながらやって来て「え?あの…あっちの人じゃなくて?」
「うん。くろいおっちゃんもおったけどはしっこのほうであかいかおしてじっとしてた。
ほいで目ぇのおっちゃんがどれでもすきなんこうてくれるいうた」
「そんでこんだけって言うたの?」
「んーん。おれはこれほしいっていうた」きなこ味のを指差して「したらほかのんもこうてくれた」
「これで幾らなんのかな?」
「イッコ20円だから、80円すね、あとは消費税か」
食卓の上で4個をすいすいと並べ替えて「おれのすきなじゅん」と笑顔の弟
顔を見合わせる兄と庄司「まあ…ええか」「いいんじゃないすか」
・「帰りましょうよ気が済んだでしょう」
「もうちょっとオレをここで『居る価値のない人間』でいさせて」
・巡査は近所の小学生からいつもありがとうチョコをもらって大感激「嬉しいっすよ!やってチョコレートってめっちゃ万能っすよ?飯にもパンにもうどんにも合いますし!あと中華まんのガワにももちろん合いますよ!これで俺当分いけますわ!」
・ホワイトチョコをチーズおろし機で粉にし「雪に見えるね」と言う男あり
・そして弟は「なんかあったで」とドアを指さし
トロ箱に入った特大の真鯛に添えられていたカードの文面
『ボクの足長おにいさんへ キミのヒゲ長おじさんよりv』
を読んで、庄司は低く呻いた。
・チャーハンの店のカウンターには高級店のチョコレートが『ご自由にお持ち下さい』山積みになっている。
(もちろん礼二の「嫌がらせ被害転用物資」だ)
しかしチャーハン自身は絶対に手を出さない
チョコレートが嫌いなわけではない
手を伸ばした瞬間に固く積み重ねた意地が崩れてしまいそうな気がするからだ
・庄司の創作料理:真鯛のソテーチョコレートソースは大失敗!
・「早くどいてくれないと掃除ができないんだゾ?」メガネのバイトがモップ持って
「オレごとゴミに出しちゃってくれていいから」パチンコ雑誌の前あたりで膝を抱えているB