・マスノさんの今日の屋台は『やきもち』
お品書きに磯部あべかわあんこなどと共に「同期の出世」「彼氏がアイドルをガン見」と書いてある
「塩で」と短く注文する白い男
マスノさんは応えずに大根おろしを添えた「君の為にからみもちってそこに書いてあるだろう」
「だが醤油は結構」
「君もとことん強情だな」
「信念と評価してもらいたいね」
かくして一皿持って橋のたもとへ向かう
流れを見ながらもちもち食べていると弟が歩いてくる
レンゲやタンポポやシロツメクサなど河原の野草をたくさん摘んで来たようだ
「しろいおっちゃーん」手を振る
「やあ」もちもち
「おもち?」屋台を見遣り「とんびのおっちゃんおもろいもんうってんねえ」
「全くだ」
「いっぽんあげる」レンゲ
「ありがとう」弟の手元と見比べ「ちょっと拝借」シロツメクサを手に取る
そして手の中に息を吹き掛けるとレンゲがシロツメクサに
さらにもう一度吹き掛けると消えてなくなり
指を鳴らすと弟のパーカーのフードからレンゲが
「!!」
「これはお返ししよう」レンゲを手渡し「それでは失礼」シロツメクサを胸ポケットに挿して歩み去る
「!!??!!」
兄と庄司は錯乱した弟の話の解読に四苦八苦
さらに兄は「兄ちゃんもまほうつかえるようになって」と懇願され白い男に一日弟子入りすることに
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