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・最近弟の通う施設に坊主頭の若者が訪れるようになった
名前はミウラさん
・締まった痩身、一見して利発そうで、目にも知性の光があり、言動も全く正常に見える
しかし常に何かを恐れていて、その不安に押し潰されそうな様は周囲にも伝播してしまうほど
圧倒的に老人が多い病気の若年発症
病気の進行がもたらす痴呆と身体障害を恐れてのことである
既に服薬を開始していて、むしろこの精神状態が安定するまでの一時的な措置として来所することになった
・坊主頭は不安から髪を抜いてしまうことが多くなった為
・赤いシャツを着た小さなライオンのぬいぐるみを手放さない
・実は近隣の桜辺医科歯科大学(おうべ・いかしかだいがく)付属病院の医師である
つい最近までバリバリ働いていた若手気鋭の医師であった
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・彼を送り迎えするのはその旧友であるスズキ
一見するとこっちが施設向きじゃないかと思わせられる虚無な瞳と愚鈍そうな体躯
それでもこっちが現役の医師である
・ミウラとは共に大学を目指し上京した旧知の仲であり、親友である
発病に誰より早く気付いたのはスズキに他ならなかった
何とか進行を食い止めたい、そして治癒へ向かわせたいと願っているが
現代の医学では不可能、しかも専門が違うのがもどかしい
・(スズキの専門は産婦人科。若い女のま@こ見放題!と乗り込んだのだが、中絶や人工授精の問題に直面し精神的に追いつめられている。それを直接語ろうとしないが、表情には出ている)
・ちなみ絵師や不動産屋が通院している精神科もその大学病院の中にある
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・タカトシに関しては以前から施設送りのリクエストがあったのですが、イメージ通りではあまりにも勿体ないので逆にしてみましたよ。
ついでに絵師の病院もねじ込めたので満足です。
・ちなみに病気はアルツハイマーじゃなく若年性パーキンソン
身近に居るのです
・精神科の医師はまた追々。
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・スズキの親は地方の小さな診療所。
「もう朝から晩までジジババばっかりなんだよ!もう延々ジジババなの!そんで大学入ってびっくりしたの!こんなに世の中に若い女居んだ!って!じゃあもう婦人科しかないじゃないよ!不純じゃないって全然!」
・施設でのミウラさんは、ぬいぐるみをたまに囓ってはいるものの概ね先生っぽいので“こどもたち”からは人気である。
「みーらさん。みーらさん。あたまさわらして」ぞりぞり
「子供か。お前は子供か」
「はげてんの?みーらさんはげてんの?」ぺっちぺっち
「はげてねえよ刈ってんだよ。あと俺はミイラさんじゃねえよ」
「みーらさんははげてんちゃうの?ええおとする」ぺちぺち
「田村くん!」のんちゃん先生珍しく声を荒げ「ハゲの人にハゲて言うたらだめですー!」
「…ごめんなさい」
「いやハゲてねえからさ俺はああもうヤダなーここ」
・のんちゃん先生の頭叩いて後藤大爆笑
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