・明るい午後、土手の桜、河原の菜の花
あの子たちの遊びはいつものように不意に散会する
Bは橋脚に寄り掛かって煙草に火を付けた
「なぁあ黒いおっちゃん」
海老ぞりに跳び上がったが煙草は落とさずに済んだ
「ごめんなびっくりした?」
「ししてねえよ」
「そう?」
それでも取り落としたライターを拾い上げて弟はじっと見つめる「ふしぎやね火」
「なな何がだよ、ァリガト」
「あかるいときはようみえへんのな火。くらいなかやったらようみえるのにな。よるやったら黒いおっちゃんどこにおるかすぐわかるもん」
赤面大汗のBを出迎えてカレーパン二個目のA「やい今日はどうしました」
「オレ夜あの子の家見てんのあの子にバレてた!!」
「バレてないと思ってましたか今の今まで?!」
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