最後の一機がドカーン言うてリセットかと思たら電源切った。立って腰と腹ぽんぽん叩いて背伸びして電灯の紐にデコぶつけて、普通腰と肩ちゃう?叩くんやったら。
ポケット探って潰れた箱覗いてごみ箱放りながら「兄さんちょっとお散歩行ってきまーす」ってオトウトちゃん寝てんの気付いてだんだん小声になんの面白いわ。
こっそり歩いてもミッシミシ言うのはしゃーないよな、と思てたら案の定オトウトちゃん起きた。
ソファーの背に顔くっつけて唸ってるから牛乳あっためて薬と持ってったる。
「治まるから」言うても治まった試しないやん。残ってたバウムクーヘン切って添えてやったら食べて飲んでの2錠で効くかな?
おっとりしたニュース5分くらいも見てたっけ「上兄さんは?」
外行ったでとだけ言うと、よちよち来て冷蔵庫開けて「頼めばよかった」。
何?て聞いたらでっかいプリンやて。手づくり『じゃない』プリンは確かに俺も食べたいけど、手元に裏ごしあと半分や。途中で止めたら絶対イヤなるなーと思てる間にオトウトちゃん携帯出してた。
で次の瞬間ソファーで変な曲鳴って「どうして携帯しないんだろう携帯電話を!」えらい理路整然と怒るなあ。
「追っ掛けてったら?向こうの方のコンビニやで」
「どうしてですか」
「赤いやつ手前のコンビニ置いてない言うてたもん」
ちょっと目口が点になったっけごみ箱ちらっと覗いて(赤いやつやろ?落ちる時の音でさ)「でも自転車乗ってまで追い付かけるのはいやだなあ」
「歩きで追い付く思うで。今朝あっこの角の家に何やでっかい花咲いてたからそれ見てるやろ。ああ、そんで写真撮ろうとして取りに戻って来てんちゃう?携帯するもの」
「ふーん」って変なストラップついたんイヤそうに持って、出て行きしなに「何でもよく知ってるなあ…」
別に好きで知ってるわけちゃうわ、と言お思て顔上げたら戻ってくるでかい顔窓から見えて、何やオトウトちゃんニヤっとこっち見て出て行った。
気ぃ悪いわ!
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