・「ねえ、いいニュース、聞く?」
「へえ」
「オレ本当は女の子だった、って気付いちゃったンだ」
「酔ってますねアンタ」
「ちゃんとお医者さんに行って診てもらったら、確かにそうだってサ。ねえ、そしたらさすがの“あの人”もさ、女の子…それも、30も半ばを過ぎた、哀れな女暗殺者、自由にしてくれると思うの、ねえ潤そう思わない?」
「さーて、ねえ」
「そしたらオレ、もう今度こそこの仕事から足洗うんだ。それで、あのコに告白する。もう禁じられてないもん、男の子と女の子なら文句ないでしょ」
「まあ事実だとしたらアンタはなかなかのオバサンてなものに相当するでしょうけどね」
「どんな顔するかな、ね、驚くと思わない?」
「アンタからそんなようなヨタ聞くの何度目でしょうね。ただガッカリさせるようで気が進みませんけどねオザーサン悪いニュース、そうこうしてる間に日付変わりましたよ」
「あぁ」
「土台向いてやしないんだ暗殺者にエイプリルフールなんてモノぁ…そもそもアンタのは嘘じゃない。ただの願望じゃないですか」
「ちぇっ」
「ま、もしも本当にそんなことになったとしたら、アタシがアンタを嫁にもらってやりますよ」
「――」
「オザーサンこういうのを『嘘』ってんです」
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